2014年10月28日

【レビュー】英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ

『英雄伝説 閃の軌跡Ⅱ』 PS3/PS VITA
日本ファルコム
2014年9月25日発売
公式サイト


前作から1年、日本ファルコムから満を持して発売された大作RPG、軌跡シリーズ最新作。
90時間もの死闘(プレイ時間)の末、ようやくクリアしましたので、感想でも書こうかと思います。

愛ゆえに長々と書いてしまっているので、面倒な方は赤文字(良かったところ)、青文字(微妙だったところ)を中心に読んで頂ければ、と思います!


▼ストーリー、世界観

「軌跡シリーズ」全作に言える事ですが、RPGの命とも呼べるストーリーですが、やはり一言で言うと「王道」そのものですね。
出会ったころは仲間同士でぶつかり合って喧嘩もしながら、様々な試練を乗り越える中で絆を育み、そして強大な敵に打ち勝つ。
笑いあり、涙ありのお約束な展開だけどそれでもワクワクしてしまうのはさすがファルコム!と言った感じですね。

また、国や地域ごとに歴史や文化がしっかり設定されている他、ほとんどの住人には固有名が付けられていて、まるで本当に生きているかのように喋りまくります。
しかも一人一人にストーリーが設定されていて、時が進むごとに台詞も変わっていくという徹底ぶり。
(ちなみにこれは、シリーズの伝統みたいなもので、前作でも同じような楽しみがあります)


今作は、国の内乱の中で、士官学生の自分達は何をすべきか、どのように身を振っていくか…という、かなり複雑な構図の中でストーリーが展開していきます。
正直、この辺りは取ってつけたような理由で行動を起こしたりするなど、結構強引な展開があったりして、ファンの間では賛否両論のようです。

また、長く続くストーリー故、設定の風呂敷を広げ過ぎて、新作が出る度に謎が増えていっております。
全く回収されない訳ではありませんが、今作では特にその傾向が強く、何となくスッキリしないままクリアしてしまった人も多いようですね。

とまぁ悪い部分も書いてしまいましたが、『メインキャラ達が自分の道を見出す過程を描いた成長の物語』と捉えて割り切ってしまえば、とても良く出来たストーリーだと思います。


▼キャラクター

たくさんのキャラが登場しますが、それぞれ色んな過去を持っていてとても魅力的です。
声優さんも豪華で、安定の演技を聴かせてくれますし、メインキャラ以外(NPC含む)も超個性的なキャラ揃いですので、きっとお気に入りのキャラが見つかるでしょう。

ちなみに、今作ではメインキャラクターが10人、それ以外にも10人のサブキャラクター、合計20人を操作できます。

…多すぎやろ!w

しかもパーティには7人しか選べないので、良くも悪くも本当に迷います。(随時入れ替えは可能ですが)
これだけの数のキャラがいるとなると、メインなのに影の薄いキャラ、不遇な扱いを受けるキャラもいて、仕方がないとはいえ少しもったいないなぁ…と感じてしまいました。

僕は全員を万遍なく使いたい派なので悩みながらも楽しみましたが、一定のキャラしか使わない人からすれば、この選択は面倒でしかないと思われます…。


▼戦闘

戦闘の中軸は「ATバトル(アクションタイムバトル)」という個人ターン制で、FF10を想像してもらうと分かりやすいと思います。
それぞれのコマンドごとにディレイ(次の行動までにかかる時間)が設定されており、そのディレイを固有技や魔法で早くしたり、相手のターンに割り込んだりする事で、戦闘を有利に進めることが出来るようになっています。
ややこしいので簡潔に言うと、前作以上に戦略の幅が広がり楽しいです!w
(詳しくは公式サイトをご覧ください!)

一番の目玉は”リンクアタック”というシステム。
敵の弱点を突いて攻撃すると仲間が追撃してくれます。
追撃を繰り返すとポイントが貯まり、ポイントを消費する事でより強力な追撃が行えるように。

また、攻撃や回復を繰り返す事によって、新要素の”オーバーライズ”というのが使えるように。
これは、敵の行動順を飛ばして何回か連続で行動出来る、というシステム。

このリンクアタックとオーバーライズを使う事によって、戦闘のテンポが格段に良くなり爽快感も増します!
敵の強さもこの二つの要素を積極的に使わないと厳しいぐらいの強さで、とても良いバランスになっています。


また、必殺技やオーバーライズを使う時にキャラの掛け声とカットインイラストが入るのですが、これがとてもカッコ良い&カワイイです!


他にも、通常攻撃から魔法に至るまでボタン一つでエフェクトをスキップ出来るようになっている点は良かったのですが、スキップのスピード自体が遅い(暗転が長い)ので、効果の程は微妙な所です…


物語の要点で入る「騎神戦」(ロボバトル)は、前作ラストバトルでの初登場でした。
当時はオイオイ何だこれ…という意見が多かったように思いますが、意外と戦略的で迫力もあって楽しめました。
良いアクセントとして入っていたなーという感じですね。

▼グラフィック、演出

グラフィックのレベルに関しては、残念ながらPS3作品にしてはあまり…という印象です。

以前はチビキャラが所狭しと動き回る、少し古いながらも完成度の高いグラフィックでした。
それに対して、今作では等身を上げた分広大な世界観を出すことには成功しましたが、
キャラの動きのぎこちなさ、何もないところから武器を出すなど、こだわる人からすれば残念な部分も多々あるかと思います。

イベントシーンは少々テンポが悪いかもしれません。
携帯機時代は特にそう感じなかったので、この辺はこれからの進歩に期待という所ですかね。

しかしながら、某大作RPGのような大迫力のムービーはありませんが、それを補って余りあるストーリー、熱くなるイベントが盛りだくさんですので、心配は無用です!!

このあたりも、長年RPGを作っているファルコムならでは、という所ですね。

▼音楽

『音楽が良いRPG』として名高い英雄伝説シリーズの名に恥じず、今回も良作揃いです。
前々作の、特に戦闘曲は、主人公のロイドを象徴したような、熱く燃える音楽が多かったですが、前作と今作では、何だか切なさを感じさせるような曲が多いように感じます。
特にライバルとの戦闘で流れる曲はその代表で、ジーンとさせられます。

過去の作品と比べて傾向がかなり変わっている為、古くからのファンの中には違和感を感じる方もいるようですが、全体的に、シーンごとに合った曲が使われていて、安定のファルコムという感じでした。

▼その他

前作ではロード時間が驚くほど長く、当初から大きな批判を浴びていましたが、その教訓もあってか今作では特に気にならないレベルになっています。
また、流石に長い間続いているシリーズだけあって、メニュー画面のインターフェイス等も洗練されていて見やすいです。

その他、イベントシーンの早送りや各種演出のスキップ、街の中での移動のショートカットや、ダンジョン探索後に自動で戻れる(選択可能)などなど…痒いところに手が届く親切設計です。
…というか、ただでさえボリューム満点な物語なので、ここが不自由だとやってらんないですからねw

こういった点に関しては、概ね好評のようですので、特に心配する必要は無いかと思います。

▼まとめ

とまぁ、圧倒的かつ緻密な世界観が魅力の作品ですので、当然他のシリーズ作品をプレイしていればより楽しめます。
特に、前作『閃の軌跡』をプレイ済みでないと全く面白くないと言って良いと思います。
前作プレイは必須です!

しかしながら、シリーズ作品は

・空の軌跡(FC、SC、The 3rd)の三作品
・零の軌跡
・碧の軌跡
・閃の軌跡(前作)
・閃の軌跡Ⅱ(今作)

と、延べ7作にも渡っており、プレイスタイルにもよりますが、全作品を普通にプレイするとおそらく400時間以上もかかってしまうと予想されます。
今は兼価版や複数作のセット版が売られているので、それほどお金はかからないかもしれませんが、これだけ時間がかかると考えると…となりますよねw

という訳で、ゲームにたっぷり時間を注ぎたいだとか、どっぷりハマれる世界観のRPGが好きな方には是非プレイして頂きたいと思います。

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